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よくある質問

官製談合の事例【被告・建設業者を代理】「勝ち過ぎてもいけない」のが鉄則。が、「客観的データ」で損害額を最小化した弁護団の緻密な防御で、裁判所「相場の10%」を「5%」に抑える裁判例の相場どおりにせずに、割合を下げて支払額を減額する

 

 

Contents

裁判例の相場どおりにせずに、割合を下げて支払額を減額する:官製談合の事例【被告・建設業者を代理】

・北海道の住民である原告らが,北海道A支庁における農業土木工事において談合が行われていたとして,同工事の受注をした2会社と同工事の請負契約締結当時の北海道知事,北海道A支庁長及び北海道農政部長に対し,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2第1項4号に基づき,北海道(参加人)に代位して,損害の賠償を求めた事案

道発注工事官製談合 業者に賠償命令

 

(札幌地方裁判所平成平成19年1月19日判決:「最高裁判所ウェブサイト裁判例情報」)
(日本経済新聞平成19年1月20日ほか日刊紙、TVニュース)

 

事件の概要
最高裁板書ウェブサイト(http://www.courts.go.jp/)に登載
判例検索システム検索結果詳細画面
全文(PDF)
 
事件番号 : 平成12(行ウ)29
事件名 :損害賠償請求事件
裁判年月日 :平成19年01月19日
裁判所名・部 :札幌地方裁判所 民事第5部 

 

争点
(1) 原告の主張
原告は、談合による道の損害額を「工事予定価格の総額の10%に当たる7850万円」と主張した。
 

(2) 逆風:裁判例・学説・報告等
・「建設工事一般についての民事訴訟法248条を適用した算定損害額について、固めに評価した区切りの良い数値として請負契約金額の10%が基準になっていると考えられる」(村上政博『入札談合に係る住民代位訴訟の動向』判例タイムズ1092号)
・一般に、談合がなければ、これがあった場合の価格の20ないし30%程度は低下する論文(泉水文雄『独占禁止と損害賠償』民商124巻4・5号559頁)
・いつかの自治体における入札制度改革をとおして競争が回復した結果、平均落札率が70%ないし85%になっているとする報告(日本弁護士連合会『入札制度改革に関する逓減と入札実態調査報告』(2001)4頁 )

 

 

我々のプロジェクトチームの成果
(1)クライアントの担当グループと当事務所で組んだチームは、訴訟の審理過程で、官製談合を客観的なデータにより分析した資料を『書証』として提出するとともに,平成10年施行の新「民事訴訟法」で創設された(損害額の認定)248条を活用して構成した法律論を述べた『準備書面』を提出 
 
(2) 裁判所は、当方の主張・立証を容れ、類似事案の相場的な10%を基準とせず、「総合的に考慮して5%が相当」と判断した。

 

まとめ
裁判で負けるのは、問題外。しかし、勝ち過ぎてもいけないことがある!!

 

 

お客さまの声:建設会社・管理職・男性(65歳)

「事案の望むべき解決には、弁護士と依頼人との信頼関係が必要不可欠」

 

事案に対しては、客観的事実を積み重ねていくことが、とても大切です。しかし、そのために時には、自分を裸にする勇気が求められます。これまでの、ものの見方・考え方が否定されることもあるからです。これを乗り越える事で、初めて弁護士との信頼関係が強固なものとなりました。乗り越える原動力は、弁護士との間に目的を確認し、相互の信頼を熟成しつつ、弁護方針を立てていく協働作業でした。

 

法廷で「勝つか、負けるか」「どんな負け方にするか」「そのためにはどんな資料(証拠書類など)が入手できるか」などについて、忌憚のない意見交換の積み重ねが、弁護士への信頼を深めていきました。相互の信頼を確立するうえで、情報の共有は最も重要です。隠さず、飾らず、自分を偽らず情報を提供していくことが、自分の望む解決策に近づく事になりました。

 

長時間のダラダラした印象の法廷でしたが、前田先生のご助言の下で、貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。

 

・札幌市議がパチンコ店の出店工作をした旨の新聞記事について、名誉毀損による損害賠償として200万円を認容した事例

札幌地方裁判所平成11年3月1日判決
「判例タイムズ」1047号215頁

札幌地方裁判所平成19年1月19日判決
「裁判所ウェブサイト」裁判例情報

・商品取引業者の外務員らの商品先物取引の勧誘に適合性原則の違反があったとして商品取引業者の不法行為責任を認めたが、5割の過失相殺を認めた事例

札幌地方裁判所平成20年2月26日判決
「金融・商事判例」1295号66頁

 いずれも顧問先の事案ですが、前者は、建設業者を代理した官製談合の事案について、談合による損害額については、請負契約金額の10%が基準といわれる中、裁判所が総合的に考慮して5%が相当と判断した事例であり、後者は、商品取引の事案について、商品先物取引業者を代理し、裁判所が5割に及ぶ過失相殺をする判断をした事例です。それぞれ、裁判官らの説得に相応の労力をかけましたが、その内容は複雑ですので、裁判結果だけをご紹介いたしました。

 

6 前田尚一法律事務所の取組

 私は、依頼者にとっての「勝利」とは何かにこだわっています。
 また、紛争解決のモデルは「訴訟」であり、実際に「訴訟」を行うスキルとマインドが、弁護士に必要な基本的な能力だと考えています。
 これまで、さまざまな訴訟に取り組みながら、中小企業の「企業法務」全般に注力し、常に30社以上の企業を顧問弁護士として直接担当し、30年以上の弁護士としての経験と実績を積んできました。
 この経験と実績を活かし、依頼先企業の実態や事情に加えて、企業独自の志向や経営者のキャラクターやパーソナリティも考慮し、紛争の予防と解決に取り組んでいます。
 ご興味があれば、お気軽にご相談ください。

 

[ご参考]

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