IPOラッシュと、大手企業の上場廃止。
一見すると逆方向の動きに見えるこの現象は、
資本市場が“企業と人を選別し始めた結果”でもあります。
Contents
IPOか、非公開化か。
その判断の裏で、誰の声が消えているのか。
1 IPOが増え、上場廃止も増えているという「違和感」
近年、IPOの件数は再び注目を集める一方で、
歴史ある大手企業が相次いで上場廃止(非公開化)を選択しています。
「成長企業は上場し、成熟企業は市場を去る」
──そう説明されることもありますが、
それだけでは、この動きの本質は見えてきません。
なぜなら、この二つの現象は別々に起きているのではなく、
同じ制度変化の表と裏だからです。
2 資本市場は、いま「万能の舞台」ではない
現在の資本市場は、
・高い成長性
・明確なストーリー
・厳格なガバナンス
・絶え間ない説明責任
を企業に求めます。
これは市場の信頼性を守るために合理的な要求ですが、
同時に、すべての企業にとって上場が最適解ではない
という現実も浮き彫りにしました。
結果として、
・今の制度に適合できる企業は、上場を選ぶ
・制度負担が価値創造を阻害する企業は、上場をやめる
という「選別」が進んでいます。
3 制度の合理性と、個人の納得は一致しない
ここで見落とされがちなのが、
その選別の過程で、誰がどのような立場に置かれるのかです。
IPO前の株式整理。
MBO・TOBにおける買付価格。
上場廃止に伴うスクイーズアウト。
これらの局面では、しばしば次の言葉が使われます。
「法律に則った適正な手続きです」
「算定書があるので、価格は妥当です」
確かに、形式上は適法かもしれません。
しかしそれは、
・少数株主
・創業者
・親族
・事業承継の当事者
にとって、納得できる結論でしょうか。
制度の合理性と、個人の人生・財産の合理性は、
必ずしも一致しません。
4 「合法」と「正当」の間に生じる、静かな不利益
法律は、すべてを白黒で裁いてくれるわけではありません。
むしろ現実には、
・違法ではないが、不公平
・手続きは整っているが、交渉の余地がある
・異議は出せるが、声を上げなければ通り過ぎてしまう
──そうしたグレーゾーンが数多く存在します。
IPOラッシュと上場廃止が同時に進む時代とは、
このグレーゾーンが拡大している時代でもあります。
5 大手では扱いにくい「個の問題」
制度対応や大量の開示業務は、
大規模な法律事務所が得意とする分野でしょう。
一方で、
・少数株主としての立場整理
・不利な価格提示からの交渉
・経営者・創業者の孤独な判断
・家族・感情・将来を含んだ利害調整
といった問題は、
画一的な処理では解決しません。
そこには、
法律だけでなく、背景のステイクホルダーを踏まえた交渉、心理戦、全体を見通した戦略が必要です。
当事務所の解決事案として、
相続を背景として取得した非公開株式(少数株式)を提示額の7倍で売却できた事例があります。
交渉戦略と専門的評価により、資産価値を守り抜きました。
6 「本当の勝利」をどこに置くか
前田尚一法律事務所が重視しているのは、
単なる形式的な勝ち負けではありません。
・何を守りたいのか
・どこは譲れるのか
・どこが一線なのか
それを依頼者とともに言語化し、
制度の中で実現可能な形に落とし込むことを使命としています。
制度に従うだけではなく、
制度の中で、あなたの立場を最大化する。
それが、私たちの考える法務です。
7 声を上げる「タイミング」は、意外に短い
IPO直前。
TOB発表直後。
「これで決まりです」と言われたその時。
そのタイミングこそが、
実は交渉と選択肢が最も残されている瞬間です。
違和感を覚えたなら、
「制度だから仕方ない」と飲み込む前に、
一度、立ち止まってみてください。
8 最後に
IPOか、非公開化か。
市場に残るか、距離を置くか。
その判断の裏で、
あなたの声が小さくなっていないか。
前田尚一法律事務所は、
制度の論理に埋もれがちな個の納得と正当な利益を、
最後まであきらめずに考える法律事務所で
制度の説明ではなく、あなたの立場からの選択肢を整理したい方へ。
初回相談では、結論を急がず、状況を丁寧に伺います。
制度の説明ではなく、
個別の立場に即した法的選択肢の整理が必要な場合は、
前田尚一法律事務所の考え方も「弁護士前田尚一公式HP」でご参照ください。








