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[解決事例3]判例(最高裁)の「射程外」として適用をためらう裁判官に対し、専門文献を突き止めて提示――迷う裁判官の背中を押し、全面勝訴を獲得[土地区画整理事業]

最高裁判例の「射程外」として適用をためらう裁判官に対し、専門文献を突き止めて提示――迷う裁判官の背中を押し、全面勝訴を獲得[土地区画整理事業]

土地区画整理事業という、やや特殊な分野ですが、
裁判官の判断思考を知っていただきたく上でも、非常に示唆に富む事案です。

事案の概要

土地区画整理事業において、不法占有者に対し土地の明渡しを求めた事案です。
典型的事案については、既に最高裁判例(最高裁昭和58年10月28日第二小法廷判決)が存在していました。
しかし、本件が土地区画整理法の条文上、典型的事案ではなかったため、
担当裁判官は、この最高裁判例の射程外ではないかとして、適用をためらい続けました。
当方が実態を法律論として構成して提示しても、議論は平行線のままでした。

ところが、「本件のよう場合にも最高裁判例が適用される」と明記した、
建設省(当時)都市局区画整理課による解説記事を専門雑誌の中から見つけ出しました。
この記事を証拠として提出した途端、裁判官の態度は一変。
最終的に、全面勝訴の判決を獲得することができました。

当事務所の対応と成果

不法占有者に土地を明け渡させることができなければ、
土地区画整理事業そのものが停滞し、関係者全体に深刻な影響が及ぶ――まさに施行者にとっての“死活的課題”でした。

本件では、専門雑誌の記事(「質疑欄 仮換地指定及び使用収益の停止の効果について」)が、
裁判官の迷いを断ちきらせた“決定打”となりました。

当方は、この記事を証拠として提出することで、
担当裁判官に迷いを捨てさせることができ、全面勝訴の判決を獲得することができまた。
この解説の執筆は、建設省都市局区画整理課によるものであり、
建設省(現・国土交通省)は土地区画整理事業を所管する監督官庁です。
したがって、この記事は事実上の「公権的解釈」といえるものであり、
裁判官にとっても判断の足元を固める“お墨付き”となったのです。

「裁判官の判断を後押しする“決定打”」として、提出した専門雑誌掲載の記事が極めて重要な役割を果たしたといえます。

もっとも、判決書自体には、この文献の存在も、審理で交わされた議論の経過も一切触れられていません。
あたかも「初めから当然の理屈」として整理・引用されているのみです。

解決の要諦

訴訟の現場で裁判官の思考を観察していると、
「判決に書かれた理路」と「実際の判断プロセス」が必ずしも一致しないことが多々あります。
裁判官も人間であり、結論に確信を持てず、判断をためらう場面があるのです。
また、自分の内省を明らかにしすぎず、外向けの表現で理路を整える――
そんな職業的工夫を駆使することもあるでしょう。

そうしたとき、“迷いを断ち切らせる一手”すなわち的確な文献・資料の提示が、る結果を左右する決定的な要素になることがあります。

本件は、まさにその典型でした。
判決文には書かれないであろう「勝訴の決め手」を掴み取るためには、
現場での観察力と、粘り強い調査・裏付けが不可欠なのです。

「勝つ」ための実践的な訴訟活動は、理論構成だけでなく、
こうした“裁判官の心理を読み、迷いを断ち切らせる工夫”の積み重ねにあります。

もっとも、判決文には書かれないであろう「勝訴の決め手」ですから、
その方策は、世間に知られない“暗黙知”のままで、生き続けることになります。

関連コラム

詳しくは(法律論・事案の掘り下げ)、
『判決文に書かれなった「勝訴の決め手」
:「理屈は分かるが、最高裁判例は不明確…」と迷う裁判官の背中を押した、“見つけた専門誌”の威力
こちらをご覧ください。

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